12月の輸入物価8.5%低下、23年は金融危機以来の下げ幅に

ドイツ連邦統計局が31日に発表した12月の輸入物価指数(2015年=100)は前年同
月比8.5%減の125.5となり、10カ月連続で下落した。比較対象の22年12月はエネル
ギーを中心に輸入価格が高騰しており、今年12月はそのベース効果で指数が大きく
下落した。
エネルギーは前年同月を32.1%割り込んだ。下落幅は電力で72.0%、天然ガスで
49.0%、石炭で35.3%、石油製品で10.8%、原油で7.5%に上った。エネルギーを
除いたベースでは輸入物価の下げ幅が2.4%にとどまった。
中間財は7.2%減となり、10カ月連続で低下した。下げ幅は肥料・窒素化合物で39.
9%、アルミニウム・アルミ合金で19.1%、紙で15.9%、銑鉄・鉄鋼・鉄合金で15.
2%、バージンプラスチックで15.2%と特に大きい。スターチ・スターチ製品(+
19.3%)はこれまでに引き続き2ケタ台の上昇となった。
非耐久消費財は0.2%増となり、3カ月ぶりに上昇した。甘味菓子が15.8%、豚肉が
10.3%、飲料が6.6%上昇。牛乳・乳製品は11.9%、家禽肉は10.5%、動植物性油
脂は9.6%低下した。
耐久消費財も0.4%増となり、5カ月ぶりに上昇した。
投資財は1.8%増で、上げ幅は前月を0.1ポイント上回った。
農産物は0.8%増となり、2カ月連続で上昇した。カカオ豆が60.0%増、トマトが
46.1%増、豚が19.9%増と大きく上昇。小麦(−29.4%)、コーヒー生豆(−
2.7%)はこれまでに引き続き低下した。
輸入物価指数は前月比では1.1%減となり、2カ月連続で下落した。エネルギーは6.
3%低下。中間財(−0.2%)と耐久消費財(−0.4%)も前月を下回った。非耐久
消費財と投資財は横ばい、農産物は0.6%増だった。
12月の輸出物価指数は前年同月比2.4%減の122.0に低下した。低下は7カ月連続。
エネルギーが43.6%減と特に大きく下落した。農産物(−8.9%)と中間財(−
4.4%)も低下している。投資財は3.5%、消費財は1.8%上昇した。
輸出物価指数は前月比でも0.2%下がった。低下は3カ月連続。
一方、23年の輸入物価指数は前年比8.3%減の127.8となり、金融危機のさなかに
あった09年以来の大きな下げ幅を記録した。比較対象の22年は上げ幅が26.3%に達
しており、その反動で下落幅が膨らんだ。エネルギーが35.4%低下。電力は
59.4%、天然ガスは48.0%、石炭は43.3%、石油製品は20.1%、原油は19.9%下
がった。エネルギーを除いたベースでは下落幅が0.7%にとどまった。
中間財も5.9%低下した。そのほかの財はすべて上昇。上げ幅は投資財で3.6%、消
費財で2.9%、農産物で0.5%に上った。
23年の輸出物価指数は122.7となり、前年を0.3%下回った。エネルギー(−
40.6%)、農産物(−5.1%)、中間財(−1.1%)が低下。投資財(+4.6%)と
消費財(+4.0%)は上昇した。

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