チェコ中央銀行(CNB)は8日、主要政策金利である14日物レポ金利を0.5ポイント
引き下げ、6.25%に設定した。利下げは2会合連続。市場は0.25ポイントの下げ幅
を予想していた。インフレ率の持続的な低下が見込まれるなか、景気のテコ入れを
はかるため大幅な追加利下げに踏み切った。
ロンバート金利(上限金利)と公定歩合(下限金利)もそれぞれ7.25%、5.25%に
据え置いた。
同国の12月のインフレ率は前月比0.4ポイント減の6.9%となり、3カ月連続で低下
した。中銀の推定では、1月は目標範囲(1〜3%)の上限である3%まで下がってい
る。今後についてCNBは、インフレ率は年末まで目標範囲の後半にとどまったの
ち、来年は2%まで低下するとみる。年間インフレ率は2024年が2.6%、25年は2%
と予測する。
CNBは声明で、インフレ率の上振れリスクとして、国内の労働市場の逼迫、ウクラ
イナ戦争の長期化や中東での紛争激化を受けた不確実性の高まりを、下振れリスク
として世界経済、特に隣国ドイツの失速を指摘。目標値の2%寄りで安定するまで
引き締め的な姿勢を維持するとし、金利を実質ベースで大幅なプラスに保つことで
インフレを抑える方針を示した。