実質賃金が4年ぶりに増加、23年は+0.1に

ドイツ連邦統計局が29日に発表した2023年の実質賃金は前年を0.1%上回った。増加
は4年ぶり。インフレ率は5.9%と高水準だったものの、名目賃金が6.0%増えたこと
から、わずかながら増加へと転じた。非課税で社会保険料も賦課されないインフレ調
整一時金が多くの企業で支給されたことと、法定最低賃金の引き上げが大きい。
フルタイム被用者の名目賃金を所得階層別でみると、上げ幅は最下位の20%で最も大
きく、11.4%に達した。インフレ調整一時金はすべての社員に同額支給されることが
多いため、低所得層で賃金の上昇率が大きくなった。所得の最上位20%では上げ幅が
4.6%にとどまり、インフレ率を下回ったことから、実質賃金が減少している。
実質賃金は20年から23年まで3年連続で低下した。20年はコロナ禍に伴う操業短縮、
21年と22年は高インフレが主な原因となった。

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