自動車内装部品大手の独アイスマン・グループ・オートモーティブが2月28日に会
社更生手続きの適用をテュービンゲン区裁判所に提出していたことが分かった。世
界的な自動車需要の減少と、車両の電動化に伴う顧客企業からのコスト圧力の高ま
りが響いたもようだ。
アイスマンは1964年の創業で、バーデン・ヴュルテンベルク州のバート・ウラハに
本社を構える。ドアパネルやセンターコンソールなどの内装部品、シフト・バイ・
ワイヤーや変速レバーなどのシステム部品を手がけ、ダイムラー、アウディ、ベン
トレー、BMW、ミニ、セアト、フォルクスワーゲン(VW)など世界の主要な自動車
メーカーと取引がある。ドイツ、チェコのほか、ハンガリー、メキシコ、中国、ス
ロバキア、米国などに工場を持つ。2023年の売上高は4億5,000万ユーロ。雇用規模
は5,000人で、そのうちドイツ本国が1,000人を占める。
アイスマン本体とドイツ国内の主要子会社を対象に会社更生手続きを申請した。国
外子会社は対象となっていない。国内の従業員には今後3カ月間、労働局から給与
代替手当が支給されることから、その期間は従来通り営業を続けられる見通しだ。
同社はこれまでコスト削減に取り組んできたが、景気低迷やエネルギー・材料コス
トの高騰、金利の急上昇を受け資金繰りに行き詰った。