化学大手の独エボニックは4日、高吸水性樹脂事業を独投資会社インタナショナル・
ケミカル・インベスターズ・グループ(ICIG)に売却することで合意したと発表し
た。パフォーマンスマテリアルズ部門を清算する方針に基づく措置。取引価格は1億
ユーロのケタ台の前半。独禁当局の承認を経て売却手続きが年央に完了すると見込ん
でいる。
エボニックは2022年、同部門の清算方針を打ち出した。他の部門に比べ収益力が低い
ため。すでに23年4月、同部門に属する独リュルスドルフ工場と、ヴェッセリング工
場の関連事業をICIGに譲渡した。樹脂やゴム向けの添加剤を製造する「C4化学」事業
の売却先が今後決まれば、同部門の清算完了のめどが付く。
高吸収性樹脂事業は雇用規模が約1,000人で、23年の売上高は8億9,200万ユーロだっ
た。過去5年間の営業利益(EBITDA、調整済み)は平均およそ2,000万ユーロ。今回の
取引により、独クレーフェルト、ラインミュンスター、米ノースカロライナ州グリー
ンズボロ、ルイジアナ州ガリービル工場、および原料であるアクリル酸を手がける独
マール工場内の生産施設をICIGに譲渡する。