自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)がドイツ北部のヴォルフスブルク本社工場で
電気自動車(BEV)「ID.3」を生産する計画を中止した。需要の低迷を受けた措置
で、同モデルの生産拠点は今後も独ツヴィッカウとドレスデン工場に制限する。地方
紙『ブラウンシュヴァーガー・ツァイトゥング』が報じ、同社が追認した。
VWはID.3をBEVに特化したツヴィッカウ工場で主に生産するとともに、ドレスデン工
場でも少量生産している。2021年12月に打ち出した計画ではヴォルフスブルク本社工
場でも今夏から生産することになっていた。
だが、BEVの販売不振を受けツヴィッカウでは生産シフトが削減されている。ヴォル
フスブルクでもID.3の生産を始めれば、ツヴィッカウの稼働率が一段と低下すること
から、計画を変更した。クリスティアン・フォルマー取締役(生産担当)は、不要な
支出は1ユーロたりとも省かなければならないと述べた。同社はコスト削減に取り組
んでおり、無駄遣いをするゆとりは全くない。
ヴォルフスブルクで26年からコンパクトSUVのBEVを生産する計画は堅持した。
ID.3の23年の販売台数は14万800台だった。