ドイツ連邦統計局が22日に発表した1月の輸入物価指数(2021年=100)は前年同月
比5.9%減の111.7となり、11カ月連続で下落した。比較対象の23年1月は物価水準
が高く、今年1月はそのベース効果で指数が大きく下落した。
エネルギーは前年同月を27.7%割り込んだ。下落幅は天然ガスで47.2%、電力で
34.1%、石炭で31.0%、石油製品で12.6%、原油で3.2%に上った。エネルギーを
除いたベースでは輸入物価の下げ幅が2.5%にとどまった。
中間財は7.2%低下した。下げ幅は肥料・窒素化合物で41.6%、紙で16.8%、バー
ジンプラスチックで14.4%、金属で13.8%と特に大きい。
そのほかの財は上昇した。上げ幅は投資財が0.6%、耐久消費財が0.2%、非耐久消
費財が0.3%、農産物が0.1%。農産物ではカカオ豆が73.4%、イチゴが56.8%、豚
が16.8%上昇したのに対し、小麦は27.1%、コーヒー生豆は9.0%下落した。
輸入物価指数は前月比では変動がなかった。エネルギーは1.6%低下。中間財(−
0.5%)も前月を下回った。そのほかの財は投資財と耐久消費財が0.2%、非耐久消
費財が0.7%、農産物が1.8%の幅で上昇した。
1月の輸出物価指数(21年=100)は前年同月比1.3%減の113.6に下がった。低下は
8カ月連続。エネルギーが22.9%減と特に大きく下落した。農産物(−7.7%)と中
間財(−4.6%)も低下している。投資財は2.8%、耐久消費財は1.3%、非耐久消
費財は0.5%上昇した。
輸出物価指数は前月比では0.1%上がった。上昇は3カ月ぶり。
統計局は今回から、指数の基準年をこれまでの15年から21年に改めるとともに、各
品目の構成とその比重を変更した。このため、新基準と旧基準とでは指数と変動率
が異なっている。