ドイツがナミビアとの水素協業を深化

ドイツ政府は20日、水素経済の実現に向けたナミビアとの協業を深化することで合
意したと発表した。2022年に取り決めた水素・PtX(電力でグリーン水素とその誘
導体であるアンモニアなどを生産すること)協業合意を具体化する。
ナミビアは未使用の土地が多いうえ、風力が強く、風力発電に適している。また、
日照時間はドイツの約2倍の年3,500時間強に上ることから、太陽光発電にも適して
いる。これらの再生エネを活用すれば同地のグリーン水素生産コストは1キログラ
ム当たり1.5〜2ユーロに抑制できる見通しだ。政情が安定していることもあり、ド
イツ政府は同国との関係を重視している。
今回の合意では、グリーン水素のバリューチェーン構築を目指すナミビアの組織
「グリーン・ハイドロジェン・ナミビア・プログラム」をドイツが支援することを
取り決めた。グリーン水素の産業化戦略の策定、グリーン水素プロジェクトの環境
影響調査をサポートする。
ナミビアの行政機関との協業も進める計画。具体的にはグリーン水素の技術標準や
法律・規則の策定、専門人材の教育などをアシストする。
このほか、グリーン水素・アンモニアの生産との輸出に向けてナミビアが進める
「ハイフン・プロジェクト」への支援も行う方向だ。ロベルト・ハーベック経済・
気候相は今回、同プロジェクトを落札したハイフン・ハイドロジェン・エナジーと
いう企業連合に参加する独再生可能エネルギー企業エネルトラーク(Enertrag)の
グナール・ヘーリング最高経営責任者(CEO)に支援の趣意書を手渡した。

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