自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは25日、事故などが起きた場合に人
体への影響を最小限に抑えるパッシブセーフティ技術部門のブランド名を「ZFライフ
テック」に改めると発表した。同部門の法的分離に向けた取り組みの一環。ホル
ガー・クライン社長は「自立したブランドとしてZFライフテックは戦略決定の余地を
獲得し、売り上げと収益性を一段と高めることができるようになる」と語った。ZFは
過去の大型買収で膨らんだ有利子債務をZFライフテックの売却ないし新規株式公開
(IPO)を通して圧縮する考えとみられる。
ZFライフテックにはエアバッグ、シートベルト・操舵システム事業が含まれる。2023
年の売上高は約47億ユーロで、世界市場シェアは20%を超える。18カ国に計46拠点を
持つ。
ZFは同部門の分離方針を22年10月に打ち出した。今後はリブランディングに続くさら
なる措置を検討する考えだ。
ZFは米TRWとワブコを買収した結果、財務が悪化し、110億ユーロ超の債務を抱える。
金利の高騰で利払いコストが急速に増えていることから、債務の圧縮は緊急の課題と
なっている。