1月に経営破たんした独デパート大手ガレリア・カールシュタット・カウフホーフ
の管財人は10日、米投資会社NRDCと独事業家ベルント・ベーツ氏からなるコンソー
シアムに同社を売却することで合意したと発表した。国内92店舗のうち70店舗以上
が存続する見通しという。管財人が今後作成する倒産処理計画(Insolvenzplan)
が債権者集会と裁判所で承認されれば、売却契約が発効する。
ガレリア・カールシュタットは親会社である墺シグナ・ホールディングの経営破た
んを受け、連鎖倒産に追い込まれた。同社の倒産は過去3年半で3度目。これまでの
倒産で店舗と雇用の縮小が行われてきた。今回も最大で20店舗強が閉鎖されること
から、さらなる人員削減は避けられない見通しだ。
NRDCはカナダの百貨店であるハドソンズ・ベイ・カンパニー(HBC)の過半数株を
持つ事業家のリチャード・ベーカー氏が展開する投資会社。HBCはガレリア・カー
ルシュタットの前身企業の1つであるカウフホーフを2015年に買収したが、業績不
振を受けて19年に撤退した経緯があり、今回の買収合意はベーカー氏にとって独市
場への再参入となる。ベーツ氏も18〜19年にカウフホーフの監査役会長を務めた経
歴を持つ。