日本ガイシの大容量蓄電池「NAS」、ハンガリー変圧器メーカーから受注

日本ガイシは15日、ハンガリーの変圧器メーカー、ガンツ・トランスフォーマー
ズ・アンド・エレクトリック・ローテイティング・マシーンズ(Ganz
Transformers and Electric Rotating Machines)から、メガワット級の大容量蓄
電池「NAS」1基を受注したと発表した。ガンツの生産拠点に設置し、敷地内の太陽
光発電設備と連携して再生可能エネルギーの利用率向上に役立てる。今年12月に稼
働開始の予定。
NAS電池は再生エネの安定化や電力需給バランスの調整、非常用電源など様々な用
途で利用されている。設置する電池は最大出力が250キロワット(kW)で、容量は
1,450キロワット時(kWh)。大容量で長時間の放電が可能なため太陽光発電のピー
クシフトに適しているほか、多重の安全設計がされていることが受注の決め手と
なった。
再生エネの安定利用には電力の需給ギャップをなくすための調整用電源が必要だ
が、国土が平たんなハンガリーでは高低差のある揚水発電などの建設が困難なた
め、大容量蓄電池の需要が高まっている。NAS電池は同国国立エネルギー研究所で
の定置用蓄電池の実証事業でも採用されており、今後、さらなる利用拡大が見込ま
れている。
今回ガンツは、ハンガリー国内で活動する企業の再生エネ発電と貯蔵設備導入に対
する政府の支援策「ファクトリー・レスキュー・プログラム」を通じてNAS電池を
導入した。同国は2050年のカーボンニュートラル実現のため、30年までに発電量の
90%を低炭素電源に転換する目標を掲げる。

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