「ガソリンにeフューエル混合を」、VW社長が要求

独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループのオリファー・ブルーメ社長は11
日、ハンブルク経済記者クラブで講演し、欧州連合(EU)はガソリンなど化石燃料系
の自動車燃料に合成燃料「eフューエル」を混合する政策を実施すべきだとの立場を
表明した。電気自動車(BEV)の普及を補完する形で道路交通の脱炭素化に寄与する
としている。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が13日付で報じた。
eフューエルは水を再生可能エネルギー電力で分解してできた水素を炭素と化学反応
させて製造する燃料。炭素は大気中から確保することから、二酸化炭素(CO2)の排
出量を実質ゼロに抑制できる。
EUではCO2を排出する乗用車の新車販売が2035年以降、禁止されるものの、それ以前
に登録された車両は50年まで利用できる。これら内燃機関車でeフューエル混合燃料
を利用すれば域内のCO2排出削減を加速できる。
ブルーメ氏が社長を兼任する高級スポーツ車子会社ポルシェはチリ南部のマガジャネ
ス州でeフューエルの総合生産施設を運営している。モータースポーツなどで使用す
るためだが、長期的には自社ブランドの量産車で使うことを視野に入れている。
eフューエルは現時点で価格が割高なものの、同氏は今後2〜3年で1リットル当たり2
〜3ドルに引き下げることは十分に可能だと明言。ドイツのような国が税優遇措置を
導入すれば、生産施設の建設投資が促進され普及に弾みがつくとの見方を示した。

上部へスクロール