独フォルクスワーゲン(VW)傘下の商用車大手MANは18日、自動運転トラックの公道
走行試験を同国南部で開始した。商用車メーカーが自動運転の公道試験をドイツで行
うのは初めて。量産に漕ぎ着ければ物流の改善につながると期待されている。
フォルカー・ヴィッシング交通相とアレクサンダー・フラスカンプ最高経営責任者
(CEO)を乗せたレベル4のテスト車両がアウトバーンA9号線のミュンヘン〜インゴル
シュタット間およそ10キロを走行した。ヴィッシング氏は「ドイツの公道において初
めての自動運転トラックのレベル4試験走行は自動運転法を持つドイツが欧州の頂点
に立っていることを示すものだ」と言明。自動・コネクテッド走行を主導する国にな
ることに意欲を示した。
MANは来年からは、自動運転トラックの典型的な投入分野となる物流ハブ間での走行
試験を実施。2030年には量産を実現したい考えだ。
レベル4の自動運転トラックが実用化されると、運転手の疲労による事故の回避や輸
送プロセスの改善、10〜15%のコスト削減、運転手不測の緩和といった効果が見込ま
れる。ドイツでは現時点ですでに運転手が10万人も不足していることから、実用化の
意義は大きい。同社は自動運転に関する特許をこれまでに133件申請した。そのうち
33件はすでに付与されている。市内路線バスの分野でも自動運転技術を開発中だ。