独航空大手ルフトハンザは19日、同社と子会社スイス、オーストリア航空の3社がイ
スラエル向けの全フライトを一時停止すると発表した。イスラエルが同日未明、イラ
ンに対して行った無人機攻撃を受け、中東情勢の緊迫が一段と高まったためで、20日
7時まで運航を見合わせる。同社はこれまで行ってきたテヘラン便の運航停止措置を
少なくとも月末までは継続することも18日に明らかにした。
イスラエルは1日、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺に空爆を行っ
た。イランはこれに対する報復として13日、ミサイルと無人機でイスラエルを攻撃し
た。イランがイスラエルを直接攻撃するのは初めて。イスラエルはこれへの対抗措置
として19日未明、イラン中部のイスファハン州で無人機攻撃を実施した。
独・欧州の航空当局は民間機が誤って攻撃を受ける恐れがあるとしてイラン上空のフ
ライトを避けるよう航空会社に呼びかけている。ルフトハンザはこれを受け、イラン
の空域を回避。ニューデリー便などのフライト時間が伸び、燃料コストなどが膨らん
でいる。長期化すれば運賃が引き上げられる可能性がある。
同社はベイルート便についても月内は運行を見合わせることを明らかにしている。