日本ガイシは23日、ドイツの水素事業会社HH2Eが手がける大型グリーン水素製造プロ
ジェクト向けに電力貯蔵用NAS電池を供給すると発表した。NAS電池が商用グリーン水
素製造プロジェクトに採用されるのは初めて。化学大手BASFの子会社BASFステーショ
ナリー・エナジー・ストレージ(BSES)を通して受注した。取引額は明らかにしてい
ない。
今回受注したNAS電池は最大出力が18メガワット(MW)、容量が104.4メガワット時
(MWh)。コンテナ型電池72台で構成される。ドイツ北東部に設置され、再生可能エ
ネルギー電力を充放電する蓄電設備として利用される。
同受注はHH2Eが手がける総容量230MWh以上の大型プロジェクトの前半ロットに当た
る。日本ガイシは後半ロットについても契約交渉を進めており、受注規模は拡大する
可能性がある。ドイツは国内の水素製造能力を2030年までに10ギガワット(GW)へと
大幅に引き上げる目標を掲げていることから、同社は同用途での受注をさらに獲得す
る考えだ。
日本ガイシとBSESはNAS電池の販売提携契約を2019年に締結。BASFの世界的なネット
ワークを通じて販売を拡大してきた。今後もBSESと連携し、NAS電池の提案・販売活
動を推進していく。