高級乗用車大手の独メルセデスベンツは25日、上海の研究・開発(R&D)センター内
に新たなビルを開設したと発表した。「中国に触発され中国でイノベーションを行う
(Inspired by China, Innovating in China)」戦略の一環。ハードウエアとソフト
ウエアの分野で最先端技術の開発を加速する考えだ。マルクス・シェーファー最高技
術責任者(CTO)は、「中国におけるR&Dでの強力なプレゼンスは電気駆動技術と車
載ソフトウエアの分野における当社の主導的な役割にとって決定的に重要であること
に疑いはない」と明言した。
北京にある2つのR&D拠点と連携してコネクティビティ、デジタル化、自動運転機能
の開発を行う。具体的には(1)新プラットフォーム「メルセデス・モジュラー・
アーキテクチャー(MMA)」(2)車載OS「MB.OS」(3)電動パワートレイン(4)コ
ネクティビティ、人工知能(AI)、アプリ(5)レベル2(SAE)の部分的自動運転―
―の5分野でR&D活動を行う。
同社は車内エンターテインメントの分野で中国ネット大手の騰訊控股(テンセン
ト)、米ゲームソフト大手エレクトロニック・アーツ(EA)と協業することも明らか
にした。EAの人気レースゲーム「ニード・フォー・スピード」をベースとするゲーム
「ニード・フォー・スピード・モバイル」を中国で販売する車両の一部で使用できる
ようにする。使用できるのはメルセデスのインフォテインメントシステムである
「MBUX」の第3世代を搭載する車両。OTA(無線通信によるソフトの更新)を通して年
内にインストールできるようにする。