墺独照明大手amsオスラムは26日の決算発表で、マイクロLEDの開発事業を大幅に縮
小することを明らかにした。想定してた大口顧客からの受注を獲得できず、事業計
画の抜本的な見直しが避けられなくなったため。引当金およそ7億ユーロを2023年
12月期に計上する。
マイクロLEDはLEDを用いたフラットパネルディスプレー技術。既存のバックライト
方式の液晶ディスプレーに比べコントラスト、応答速度、エネルギー効率が優れて
いる。コストが高いため、現時点では普及度が低い。
amsオスラムはアップルとみられる顧客からの受注獲得を見込んで、マレーシアの
クリムで同社初の8インチマイクロLED工場を建設してきた。この受注を獲得できな
かったことから、同社はマイクロLEDの開発事業を将来性の高い自動車産業向け向
けなどに絞り込む。マレーシアとドイツで計500人強の従業員がその影響を受け
る。
クリム工場はリースバックで利用することになっていた。amsオスラムは今回、こ
の契約を解除する意向を表明。買い主と調整して同工場の新たな借り手を模索する
方針を示した。
引当金については7億ユーロのうち6億3,200万ユーロを1-3月期に計上した。その影
響で同期の純損益は7億1,000万ユーロの赤字となり、赤字幅は前年同期の8,200万
ユーロから大幅に膨らんだ。売上高は7%減の8億4,700万ユーロ、営業利益
(EBITDA、調整済み)は17%減の1億2,400万ユーロで、売上高営業利益率は16.5%
から14.6%に低下した。