ドイツ連邦統計局が30日に発表した2024年第1四半期の国内総生産(GDP、速報値)は
物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前期を0.2%上回った。プラ
ス成長は23年第3四半期来で2四半期ぶり。建設投資と輸出が全体を押し上げた。建設
投資は暖冬の効果で拡大した。
個人消費は減少した。ただ、3月の小売売上が前月比で実質1.8%増となり、4カ月ぶ
りに拡大するなど明るい材料が出ている。インフレ率の低下や大幅な賃上げ、6月以
降に予想される欧州中央銀行(ECB)の利下げを踏まえると、個人消費は今後、拡大
していく可能性がある。
統計局は今回、新たなデータを加味して過去のGDP統計を再集計した。この結果、23
年第4四半期の成長率は従来のマイナス0.3%からマイナス0.5%へと下方修正。同第2
四半期も横ばいからマイナス0.1%に引き下げられた。一方、第1四半期はマイナス0.
1%から横ばい、第3四半期は横ばいからプラス0.1%に引き上げられている。
23年全体では物価調整後の実質で前年比マイナス0.3%からマイナス0.2%に上方修正
された。実質に季節・営業日数を加味したベースでもマイナス0.1%から横ばいに引
き上げられている。