4月の乗用車新車登録20%増加、BEVは3カ月連続で減少

ドイツ連邦陸運局(KBA)が6日に発表した4月の乗用車新車登録台数は24万3,102台と
なり、前年同月を19.8%上回った。比較対象の2023年4月に比べ営業日が3日、多かっ
たことが大きい。コロナ禍前の19年同月に比べると約22%少なかった。
1〜4月の累計は93万7,887台で、前年同期を7.8%上回った。19年同期比では21%以
上、減少している。
4月の新車登録を動力源の種類別でみると、電気自動車(BEV)は前年同月比0.2%減
の2万9,668台となり、3カ月連続で縮小した。昨年末の補助金打ち切りがこれまでに
引き続き響いた格好だ。プラグインハイブリッド車(PHV)は28.4%増の1万5,135台
で、PHVを含むハイブリッド車(HV)は26.4%増の7万5,182台だった。ガソリン車は
18.6%増の9万792台、ディーゼル車は28.2%増の4万6,317台。
シェアをみると、BEVは前年同月の14.7%から12.2%へと落ち込んだ。PHVは5.8%か
ら6.2%に拡大。HVも29.3%から30.9%へと伸びた。ガソリン車は0.4ポイント減の
37.3%、ディーゼル車は1.3ポイント増の19.1%。BEVとPHVの合計のシェアは18.4%
(前年同月20.5%)、BEVとHVは同43.1%(44.0%)だった。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は124.8グラムで、前年
同月から1.2%増加した。BEVの減少が響いた。
新車登録の伸び率が最も大きかった部門は小型車で、52.2%に達した。2位はスポー
ツ車で29.5%、3位はキャンピングカーで24.5%となっている。ミニバン(29.5%
減)と超小型車(28.3%減)は大幅に落ち込んだ。
シェアではSUVが28.2%(前年同月28.5%)となり、これまでに引き続き断トツの1位
を保った。2位のコンパクトカーは前年同月の15.4%から19.6%へと大きく拡大。3位
の小型車は12.0%から11.5%に低下した。4位はオフロード車で11.0%、5位は中型車
で10.4%だった。
伸び率が最も大きかったブランドはBYD(比亜迪汽車)で、前年同月比289.4%増の
183台を記録した。台数自体が少ないことから、増加数が少ないにもかかわらず増加
率が極端に大きくなった。同じ事情でマクサスとイネオスもそれぞれ250.0%増の7
台、240.0%増の34台と急拡大した。
ドイツ車はポルシェが48.9%増の4,122台、VWが37.4%増の5万739台、BMWが25.3%増
の2万1,626台と2ケタ台の伸びを記録した。メルセデス(7.5%増の2万2,557台)、ア
ウディ(4.7%増の1万8,620台)、フォード(1.5%増の8,279台)も前年同月を上
回った。スマート(1.8%減の1,532台)、オペル(18.4%減の9,513台)、ミニ(31.
1%減の2,512台)、MAN(41.4%減の133台)は振るわなかった。
日本車はすべて平均を上回る伸びを確保した。ホンダは141.4%増の700台と3ケタ台
の伸びを記録。そのほかのブランドはスズキが76.2%増の1,972台、レクサスが
69.1%増の443台、マツダが42.7%増の4,026台、トヨタが42.4%増の7,504台、三菱
が36.2%増の1,907台、日産が34.7%増の2,779台、スバルが23.2%増の403台だっ
た。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、ボルボ(88.2%増の
5,653台)、シトロエン(84.5%増の5,322台)、プジョー(58.8%増の5,366台)、
シュコダ(29.2%増の1万5,487台)、ダチア(27.5%増の5,700台)、セアト
(19.8%増の1万2,201台)、現代(15.2%増の9,106台)、起亜(6.1%増の6,556
台)、フィアット(2.7%増の5,220台)は増加。ルノー(11.9%減の4,087台)は落
ち込んだ。BEV専門のテスラ(32.4%減の1,637台)はシェアが0.7%となり1%を大
幅に割り込んだ。
中国のGWM(長城汽車)は144.6%増の247台、NIO(蔚来汽車)は112.0%増の53台、
AIWAYS(愛馳汽車)は2台、ベトナムのビンファストは2台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した4月の国内乗用車生産台数は39万9,500
台となり、前年同月を26%上回った。輸出台数も26%増えて30万8,000台となった。1
〜4月の累計は生産台数が前年同期比2%減の142万9,600台、輸出台数が1%増の108万
7,000台だった。

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