独電気電子工業会(ZVEI)が10日に発表した同国電機業界の3月の生産高は物価調
整後の実質で前年同月を19.1%下回った。比較対象の2023年3月は水準が高かった
うえ、営業日数も3日多かったことから、今年3月は減少幅が膨らんだ。1〜3月も前
年同期を10.8%下回った。
4月(第2四半期初頭)の工場稼働率は80.5%で、1月(第1四半期初頭)と変動がな
かった。受注残月(受注残高が売り上げの何カ月分に相当するかに換算)は1月の
4.1カ月から4.2カ月へとやや拡大した。
4月の生産計画(先行き3カ月)で「拡大」を見込む企業の割合から「縮小」の割合
を引いた数(DI)は前月のマイナス6.7ポイントからマイナス0.8ポイントへと改善
した。生産減を予想する企業の割合は生産増予想の企業を依然として上回っている
ものの、その差はほとんどなくなった。
4月の業界景況感指数(DI)は前月のマイナス4.1ポイントからマイナス7.5ポイン
トへと低下した。同指数の悪化は5カ月ぶり。現状判断を示す指数がマイナス8.3ポ
イントからマイナス9.9ポイント、今後6カ月の見通しを示す期待指数がプラス0.1
ポイントからマイナス5.1ポイントへとともに低下した。
4月の輸出期待指数(DI、先行き3カ月)は前月のマイナス5.6ポイントからプラス
4.2ポイントへと上昇した。同指数の改善は2カ月ぶり。輸出増を見込む企業が輸出
減を見込む企業を再び上回った。
3月の新規受注高は前年同月比17.8%減となり、9カ月連続で後退した。国内が
25.7%、国外が11.1%減少。国外の内訳はユーロ圏(ドイツを除く)が10.0%減、
ユーロ圏外が11.6%減だった。
1〜3月の新規受注高は前年同期比13.5%減で、内訳は国内が15.2%減、ユーロ圏が
10.3%減、ユーロ圏外が13.1%減となっている。
3月の業界売上高は前年同月比16.6%減の194億ユーロに落ち込んだ。国内が
17.2%、ユーロ圏が17.4%、ユーロ圏外が15.4%の幅で後退した。
1〜3月は前年同期比8.9%減の553億ユーロ。内訳は国内が9.6%減の265億ユーロ、
ユーロ圏が6.7%減の106億ユーロ、ユーロ圏外が9.2%減の182億ユーロだった。