電動垂直離着陸機「eVTOL」開発の独ボロコプターが資金調達に向けて新旧の投資
家と交渉していることが分かった。ディルク・ホーケ社長は『フランクフルター・
アルゲマイネ(FAZ)』紙に、「投資家との交渉が極めて進展した段階にある。そ
のなかにはすでに出資している投資家と、新たに加わる欧州のある投資グループが
含まれている」と明言した。
同社は2月、開発中の機材「ボロシティ」の量産が独連邦航空局(LBA)から許可さ
れたことを明らかにした。欧州航空安全機関(EASA)の型式証明などを取得すれば
商業利用が可能になる。ただ、それまでの期間の事業資金を確保するため、新旧の
投資家と交渉を進めている。ホーケ氏は経済誌『キャピタル』に、7,500万ユーロ
あれば足りるとの認識を示した。
民間投資家との交渉と並行して公的支援も申請したものの、進展状況ははかばかし
くない。同氏はFAZ紙に「国、諸州とは現在も断続的な協議を行っている」と述べ
るにとどめた。同紙の4月下旬の報道では、独バイエルン州が支援を引き受けなけ
ればボロコプターの出資者である中国の自動車大手・浙江吉利が過半数資本を取得
するとの観測があった。
今夏のパリ五輪で空中タクシーサービスを提供する計画は堅持している。ホーケ氏
はEASAと仏当局から特別飛行許可(Permit to Fly)を得られるとの見通しを示し
た。