量子コンピューター開発企業の英オルカ・コンピューティングと、ポーランドのポ
ズナニ高性能演算ネットワークセンター(PSNC)は13日、量子コンピューター技術
の開発加速で米半導体大手のエヌビディアと提携すると発表した。エヌビディアの
量子古典ハイブリッドコンピューティング・プラットフォーム「CUDA-Q」にスー
パーコンピューター(スパコン)を統合し、量子コンピューターの頭脳に当たる量
子プロセッサ(QPU)が性能を発揮できるようにする。
量子古典ハイブリッドコンピューティングは量子技術と従来型のGPUスパコンを組
み合わせて計算能力を高める技術。単独での運用が難しい量子コンピューターを既
存技術がサポートすることでシステム全体の性能が向上する。
PSNCは情報通信技術(ICT)や科学分野におけるITインフラ構築で知られる。同セ
ンターではオルカ・コンピューティングの「フォトニクスQPU」を搭載した量子コ
ンピューター2基を導入し、エヌビディアのスパコン用チップ「Hopper」で高速化
した最新のスパコンに接続している。同システムをCUDA-Q上で運用することによ
り、量子コンピューターの計算能力を飛躍的に高められると期待する。
オルカ・コンピューティングは英オックスフォード大学のスピンオフ企業。CUDA-Q
には産業技術総合研究所(産総研)およびドイツのユーリヒ総合研究機構(FZJ)
のスパコンも接続している。