4月インフレ率横ばいの2.2%、エネと食品は押し下げ要因に

ドイツ連邦統計局が14日に発表した4月の消費者物価指数(2020年=100)は前年同
月比2.2%増となった。インフレ率は前月と同じで、これまでの下落にストップが
かかったものの、1月以降は3%未満にとどまっている。ルト・ブラント局長は「エ
ネルギーと食料品が年初以降、インフレ率を押し下げている」と述べた。
エネルギーは1.2%下がった。炭素税の大幅引き上げ、電力・天然ガス・地域熱料
金を国が部分負担する臨時措置の打ち切り(ともに1月)、天然ガスと地域熱に付
加価値税の軽減税率を適用する臨時措置の終了(4月)という押上げ要因があった
にもかかわらず、低下した。下げ幅は電力で7.8%、天然ガスで5.4%に上った。地
域熱は27.4%、石油製品は2.3%上昇した。エネルギーを除いたインフレ率は2.6%
だった。
食料品は0.5%上がった。前月は約9年ぶりに下落したが、再び上昇に転じた。上げ
幅が大きかったのは砂糖・ジャム・はちみつ・その他の甘味類(+8.3%)、食用
油脂(+7.4%)、果物(+4.4%)、食肉・肉製品(+2.2%)、パン・穀物製品
(+2.1%)など。オリーブオイルは産地の干ばつの影響で52.9%上昇した。生鮮
野菜は8.8%、乳製品は5.4%低下した。食料品とエネルギーを除いたコアのインフ
レ率は3.0%に上った。
食料品以外の物品をみると、ノンアルコール飲料(+5.8%)、アルコール飲料・
たばこ(+5.1%)などで上げ幅が大きかった。携帯電話機と情報機器はそれぞれ
6.8%、6.6%低下した。
サービスは3.4%上昇した。上げ幅は保険で13.1%、飲食で7.0%と大きい。一方、
電車やバスなど複数の公共交通機関を利用できるチケットの料金は24.0%下がっ
た。全国の地域公共交通機関を月49ユーロで利用できる「ドイチュラントチケッ
ト」が昨年5月に導入されたことが反映されている。来月からはこの押し下げ効果
がなくなる。
前月比のインフレ率は0.5%だった。エネルギーは2.2%上昇。上げ幅は付加価値税
の軽減税率適用終了を受け地域熱で9.1%、天然ガスで3.9%と大きかった。食料品
も0.4%上昇した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が2.4%、前月比が0.6%。前月はそ
れぞれ2.3%、0.6%だった。

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