三菱重工開発のCO2回収技術、アルセロール・ミタルの製鉄所で実証開 始

三菱重工業は21日、関西電力と共同開発した二酸化炭素(CO2)回収技術「アドバン
スドKM CDRプロセス」の実証試験をベルギーのゲントにあるアルセロール・ミタルの
製鉄所で開始したと発表した。鉄鋼製品の脱炭素化に向けた技術ソリューションの実
用化を目指す。
三菱重工とアルセロール・ミタル、資源大手BHP、三菱商事の金属資源子会社・三菱
デベロップメント(MDP)の4社は2022年、アドバンスドKM CDRプロセスを用いた共同
実証試験を複数のCO2排出源で複数年にわたって行うことを明らかにした。ゲント製
鉄所での実証試験はその一環で、2段階に分けて行われる。第1段階では高炉ガスから
1日当たり約0.3トンのCO2を分離・回収。第2段階ではコークスガス、高炉ガス、天然
ガスを含む混合ガスを熱源とする圧延再加熱炉排ガスからCO2を分離・回収する試験
を行う。将来的には直接還元製鉄(DRI)設備のリフォーマー排ガスでも実施する計
画だ。
アルセロール・ミタルと三菱重工は今回の実証試験で、CO2回収技術が製鉄プラント
向けに効果的であることを実証したうえで、実装に向けた最適化設計を検討する。
BHPとMDPはアルセロール・ミタルの製鉄原料サプライヤーとして資金を提供する。

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