電動垂直離着陸機「eVTOL」開発の独ボロコプターが既存の出資者から運転資金を
確保した。同社の確認を得た情報として『南ドイツ新聞』が4日付で報じた。開発
中の機材「ボロシティ」は欧州航空安全機関(EASA)の型式証明を取得できる見通
しが高まった。
同社は2月、ボロシティの量産が独連邦航空局(LBA)から許可されたことを明らか
にした。商業利用に漕ぎつけるためにはEASAの型式証明も取得する必要がある。だ
が、それまでの期間の運転資金確保に向けて行った新旧の投資家や州政府などとの
交渉が難航。一時は中国企業への身売り観測も出ていた。
既存の出資者から新たに確保した資金の額は明らかにしていない。資金調達手続き
が完了するまで公表しないことが契約で取り決められているためだ。ディルク・
ホーケ社長は公表の時期が第4四半期になる見通しを示した。EASAの型式証明につ
いては年内の取得を見込む。
同社は今夏のパリ五輪でボロシティの航空ショーを行う予定。当初は乗客を乗せて
商業運航する考えだったが、間に合わなかった。