ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日に発表した4月の製造業新規受注指数(2021年=
100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を0.2%下回る
83.6(暫定値)へと落ち込んだ。減少は4カ月連続。経済省は企業景況感などが回復
基調にあることを踏まえ、新規受注は遠からず上昇に転じるとの予想を示した。大型
受注を除いたベースでは新規受注が2.9%増加した。
新規受注を地域別でみると、国内が0.3%、国外が0.1%減少した。国外はユーロ圏
(ドイツを除く)が10.6%増となった前月の反動で1.4%落ち込んだのに対し、ユー
ロ圏外は0.6%増えた。ユーロ圏外は1月以降、3月を除いてすべて増加している。
部門別では中間財が1.7%減となり、足を強く引っ張った。投資財と消費財はそれぞ
れ0.5%、0.7%増加。消費財はユーロ圏が9.8%増、ユーロ圏外が5.2%減と地域によ
る差が大きかった。
業界別ではその他の輸送機器(船舶、航空機、鉄道車両など)が15.4%減、データ・
電子・光学機器が5.1%減、電気装置が4.1%減と大幅に後退。機械も1.5%落ち込ん
だ。繊維(10.9%増)、自動車・自動車部品(4.1%増)、金属製造(3.3%増)は好
調だった。
3月の製造業新規受注は当初の前月比0.4%減から同0.8%減へと下方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、2〜4月は前期
(11〜1月)比で5.4%減少した。大型受注の効果で12月が11.7%増と大幅に拡大した
ことから、2〜4月の減少幅が膨らんだ。大型受注を除いたベースでは減少幅が1.4%
にとどまった。
4月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を0.9%下回った。3月については当初の0.7%減から0.4%減へと上方修正さ
れた。