スロバキアの過疎地で無人食品店がオープン、「食の砂漠」解消に向け

スロバキア西部の寒村で7日、24時間営業のセルフサービス食料品店がオープンし
た。村で唯一となる同店を出店したのは生協コープ・ジェドノタ(Coop
Jednota)。一部時間帯を除き無人店舗となるハイブリッド方式により運営コスト
を削減する。同店の業態は、地域の食料品店が閉鎖して生鮮食品類の購入が困難に
なる「食の砂漠」(フードデザート)の解消につながるとして期待されている。
店舗がオープンしたのは人口460人のシャルゴチカ。かつてあった食料品店が経済
的な理由と人材不足により閉店に追い込まれたことから、村がジェドノタと協議し
出店が決まった。平日は午前6時から正午まで、土曜日は午前6時から11時までス
タッフが常駐するほかは無人となり、顧客は専用のカードを使い入退店する。支払
いは決済端末を介して銀行カードで行っているが、近いうちに専用アプリ(コー
プ・ジェドノタ・クラブ)が導入される予定という。
同店は隣国チェコの生協による同様の事例に倣って導入された。スロバキア国内に
は、住民が基本的な食品類を買うためだけに近隣の自治体まで出向かなければなら
ない村が多く存在する。ジェドノタは今夏以降も各地にハイブリッド店舗を出店
し、「買い物弱者」を支援する方針だ。
同国では富豪のパトリック・タカーチ氏も2021年、居住する自治体に大手スーパー
が出店したがらないことを受け、自身の出資でセルフサービスの店舗をオープンし
ている。

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