韓国ハンファグループ傘下で軍需・航空宇宙大手のハンファ・エアロスペースは、
ルーマニアに自走榴弾砲「K9」を供給する見込みだ。韓国国防部の19日の発表によ
ると、ドイツの「PzH2000」とトルコの「T-155」(K9のライセンスモデル)が候補
に挙がっていた調達入札で、同社はK9を54両、弾薬補給車を36台納入することを提
示し、唯一の優先交渉権を獲得した。契約額はルーマニアにとり過去7年間で最大
規模の9億2,000万ドルとなる見通し。
受注が実現すれば、ハンファ・エアロスペース初のルーマニア向け武器輸出とな
り、同国は世界で10番目のK9の導入国となる。ストックホルム国際平和研究所によ
ると、2023年にK9は世界の榴弾砲市場で52%のシェアを占めた。
今年1月には、K9を導入したポーランド、エストニア、フィンランド、ノル
ウェー、オーストラリアと韓国の6カ国からなる「K9 ユーザークラブ」会議が開催
され、ハンファ・エアロスペースがポーランドにK9のスペアパーツ供給拠点を設置
する計画を明らかにした。ポーランド政府は22年7月、同社からK9を672両と多連装
ロケット砲288台を調達する契約を結んでいる。