インドネシアでの電池原料精錬、BASFが検討を中止

化学大手の独BASFは24日、リチウムイオン電池の原料であるニッケルとコバルトの総
合精錬施設をインドネシアのウェダベイに設置する方向で仏鉱山大手エラメットと共
同で進めてきた検討を打ち切ると発表した。世界のニッケル市場動向が改善し、同地
に精錬施設を建設する必要性がなくなったためと説明している。
両社は2020年、同精錬施設建設の可能性を共同調査することで合意した。当時は電動
車向け需要の大幅拡大が見込まれるなか、インドネシア政府がニッケル鉱石の禁輸政
策を打ち出しており、同国に精錬施設を設置することで電池原料を安定確保する狙い
だった。だが、電池材料として使用可能な高品質のニッケルを十分に確保できるめど
が立ったことから、BASFは巨額投資が必要な精錬施設の建設を行わないことにした。

上部へスクロール