ドイツ連邦統計局が28日に発表した5月の輸入物価指数(2021年=100)は前年同月
比0.4%減の112.7となり、15カ月連続で下落した。下げ幅自体は23年8月の12.9%
をピークに縮小が続いている。
全体を最も強く押し下げたのはこれまで同様、中間財で2.6%下落した。下げ幅は
スターチ・スターチ製品(−30.7%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(−10.1%)、紙(−
8.1%)、電池(−7.5%)、バージンプラスチック(−6.9%)で特に大きかっ
た。
エネルギーはマイナス0.1%とほとんど変動がなかった。天然ガスは10.8%、電力
は18.2%、石炭は12.6%低下したものの、原油は11.0%、石油製品は7.3%上昇し
た。エネルギーを除いたベースでは輸入物価はマイナス0.4%で、エネルギー込み
と同水準となった。
農産物は5.8%上昇した。カカオ豆が記録的な不作の影響で171.2%増と2.7倍に急
騰。コーヒー生豆も7.6%上がった。トマトは21.4%、穀物は5.7%下落した。
そのほかの財は投資財がプラス0.2%、耐久消費財がプラス0.4%、非耐久消費財が
プラス1.6%だった。
輸入物価指数は前月比では変動がなかった。中間財が0.5%、農産物が0.2%上昇し
たのに対し、投資財と耐久消費財、非耐久消費財は各0.1%下落。エネルギーも
0.7%下がった。カカオ豆はマイナス8.4%となり、23年1月以降で初めて低下し
た。
5月の輸出物価指数(21年=100)は前年同月比0.2%増の114.4となり、12カ月ぶり
に上昇した。エネルギーは12.1%、中間財は1.5%、農産物は0.3%下がったもの
の、その他の財は上昇。上げ幅は投資財と非耐久消費財で各1.8%、耐久消費財で
0.9%に上った。
輸出物価指数は前月比では横ばいだった。