VWグループ上期販売0.6%減少、BEVもマイナスに

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が10日に発表した上半期のグループ新車
販売台数は434万8,000台となり、前年同期を0.6%下回った。厳しい市場環境が響
いた格好。電気自動車(BEV)も1.4%減の31万7,200台に後退し、昨年までの大幅
増加にブレーキがかかった。下半期に重要モデルの市場投入が相次ぐことから、
2024年全体の販売台数は前年をやや上回ると予想している。
上期の販売台数を地域別でみると、国別の最大市場である中国が7.4%減の134万5,
100台と足を強く引っ張った。販売担当の役員は、価格競争が激化している同国で
販売増より利益の確保を優先したと事情を説明した。販売総数に占める中国の割合
は31.0%となり、前年同期の33.2%から低下した。
中国以外のアジア太平洋(15.5%減の14万4,500台)と中東欧(0.7%減の25万
1,600台)も前年同期を割り込んだ。西欧は2.3%増の168万900台、北米は7.9%増
の49万5,200台、南米は15.4%増の25万5,300台、中東・アフリカは1.7%増の17万
5,400台だった。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(コア)は2.3%増の318万7,900台へと拡
大した。VWブランド乗用車は0.2%減の222万300台とやや落ち込んだものの、シュ
コダが3.8%増の44万8,600台、セアト/クプラが13.8%増の29万7,400台、VWブラ
ンド商用車が11.5%増の22万1,600台へと拡大した。
高級車(プログレッシブ)は8.2%減の84万4,000台で、主力のアウディは8.2%減
の83万3,000台。ポルシェを対象とするスポーツ車(スポーツラグジュアリー)は
6.8%減の15万5,900台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は16万100台で、前年同期を4.8%下回った。
MANが12.2%減の4万9,200台、ナビスターが22.9%減の3万5,300台に後退。スカニ
アは12.9%増の5万2,300台、VWトラック・アンド・バスは16.7%増の2万3,400台に
拡大した。
4〜6月のグループ販売台数は224万3,700台で、前年同期を3.8%下回った。中国が
19.3%減と特に大きく落ち込んだ。西欧は5.1%、北米は10.8%の幅で増えた。
上期のBEV販売台数は欧州が15.2%減の18万4,100台、米国が15.4%減の2万5,200台
と失速。中国は45.2%増の9万600台と大きく伸びた。そのほかの地域は40.9%増の
1万7,300台。
ブランド・グループ別のBEV販売は大衆車が1.6%増の23万900台、高級車が1.3%増
の7万6,700台、スポーツ車が49.9%減の9,000台、トレイトンが6.9%減の600台と
なっている。

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