VWがブリュッセル工場閉鎖も

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループは9日付の適時開示で、子会社
アウディがベルギーのブリュッセルに持つ工場の再編に向け従業員代表と解決策を
模索すると発表した。電気自動車(BEV)の需要低迷を受けた措置。最終的に操業
停止を決定する可能性もあるとしている。
ブリュッセル工場ではBEV「Q8 e-tron」を生産している。販売台数は減少し続けて
おり、稼働率は極めて低い。VWグループ全体が過剰生産能力を抱えていることもあ
り、他のモデルを同工場で生産することもできない。BEV専門の独ツヴィッカウ工
場も需要低迷を受け有期雇用社員の契約を打ち切っている。
ブリュッセル工場の雇用規模は3,000人に上る。経済紙『ハンデルスブラット』が
消息筋の情報として報じたところによると、10月にも1,410人を整理。残りの人材
は来年末から電池製造に携わる可能性があるという。
閉鎖するにせよ新たな活用策を見つけるにせよ、巨額コストの発生は避けられない
ため、VWは第3四半期に引当金を計上する。第2四半期の引当金と合わせると予定外
のコストは最大で計26億ユーロに達することから、同社は2024年の売上高営業利益
率を従来予測の「7.0〜7.5%」から「6.5〜7.0%」へと引き下げた。

上部へスクロール