エネルギー大手の独ユニパーは10日、eフューエル(合成燃料)製造設備を開発する
スウェーデンの新興企業リキッド・ウインドと戦略協業を締結したと発表した。e
フューエルの一種であるeメタノールの商業生産設備開発を加速させる。製造コスト
とリスクの低減、およびサプライチェーンの構築も狙っている。
リキッド・ウインドはヨーテボリに本社を置く2017年設立の企業。eフューエル製造
設備を開発したうえで運営することを目指している。デンマーク、フィンランド、英
国にも拠点があり、従業員数は約60人に上る。ユニパーのほか、シーメンス・エナ
ジー、トプソーなどの有力企業が出資している。
ユニパーとリキッド・ウインドは今回の戦略協業の枠組みで、設備開発、電力供給、
Eメタノールの引き受けの可能性を探っていく。ユニパーはリキッド・ウインドの設
備に炭素中立の電力を供給するほか、生産されたEメタノールを購入し販売する可能
性がある。また、将来自社で用いるeフューエル製造装置の開発をリキッド・ウイン
ドに委託する可能性がある。
両社は20年から協業関係にある。
Eメタノールはグリーン水素と生物由来の二酸化炭素(CO2)を合成して作る炭素中立
の燃料。船舶などでの需要が見込まれている。