5G網からの中国製品排除で政府と通信3社が合意

ドイツ政府は11日、5G通信網から中国メーカー華為技術(ファーウェイ)とZTEの
製品を排除することで通信大手ドイツテレコム、ボーダフォン、テレフォニカの3
社と合意したと発表した。5G通信網を電力や交通、医療などと並ぶ重要インフラと
位置づける国家安全保障戦略に基づくもの。ナンシー・フェーザー内相は「我々は
経済立地ドイツの中枢神経システムを防御する」と意義を強調した。
今回の合意では、5G通信の◇コアネットワークから華為技術とZTEの製品を2026年
末までに全面排除する◇アクセスネットワークと伝送ネットワークのネットワーク
管理システムについても29年末までに重要技術を両社のものから信頼できる他社の
ものに切り替える——が取り決められた。重要インフラでの中国依存を低減すると
ともに、、製品に組み込まれた「バックドア」と呼ばれる不正侵入用の入口を通し
てスパイ活動や破壊工作が行われるのを防ぐ狙いだ。
中国製品の排除を巡っては政府内で意見がまとまらず、合意形成に時間がかかっ
た。デジタル・交通相のフォルカー・ヴィッシング氏が、高速通信網を速やかに拡
大する計画が宙に浮くほか、通信各社で発生するコストが最終的に顧客に転嫁され
ると懸念を示していたためだ。通信各社の反発もあったことから、今回の合意はこ
れらの事情を考慮した内容となった。各社の負担が重くならないよう、華為技術・
ZTE製品の排除期限が比較的長く設定されている。
政府と通信3社は、合意内容が実行・促進されるようにするためのソリューション
策定に向けフォーラムを設立することも取り決めた。政府と3社のほか、通信機器
メーカーと経済界の代表が参加する。フォーラムではインターフェース、6G標準、
通信網の保護、情報・サイバーセキュリティについても協議が行われる。

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