岸田文雄首相は12日、ベルリンを訪問し、オーラフ・ショルツ独首相などと会談し
た。ロシアのウクライナ侵略を機に欧州と東アジアの地政学危機が相互連動するよう
になっており、両国は防衛、経済安全保障上の課題に連携対応していく考えだ。岸田
首相は独『ハンデルスブラット』紙への寄稿文で「今日のウクライナは明日の東アジ
アかもしれない」と危機感を表明したうえで、「ドイツが(…)インド太平洋地域へ
のコミットメントを強化していることは心強い限りです」と強調した。
日独物品役務相互提供協定(ACSA)の発効に合わせて訪独した。今夏には独空軍機と
フリゲート艦が訪日し、海上自衛隊の練習艦隊もハンブルクに寄港する。
両首相は今回、日独間で経済安全保障に関する協議枠組を創設することで一致した。
自由で公正な国際経済秩序を維持・拡大していくためには、産業構造や高度な技術力
において共通点を持つ日独の連携が重要であるとの認識を共有している。ビヨンド5G
/6Gの研究開発、サイバー分野、人工知能(AI)に関する国際ルール形成などの分野
を含め、両国間の協力を強化していくことも確認した。
両国は昨年3月、日独政府間協議の初会合を東京で開催した。両首相は今回、次回会
合をドイツで開く方向で調整していくことを確認した。