自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は18日、中国西部の安徽省合肥市で電気自
動車(BEV)の新モデルを公開した。同国市場専門のサブブランドとして立ち上げた
「ID. UNYX」の第一弾で、今夏にも市場投入する計画だ。
中国市場ではBEVの需要が急速に拡大するとともに、熾烈な価格競争が繰り広げられ
ている。だが、VWのモデルは割高なうえ、消費者のニーズに見合っていないことか
ら、同社の市場シェアは低下。現地最大手の地位を地場メーカーの比亜迪(BYD)に
奪われた。
ID. UNYXはこうした現状を打開するために創設した。合肥に新設したフルコネクテッ
ド電動車開発・イノベーション・調達センターで開発する。生産も同地で行う。
今回公開したのはSUVクーペ。中国人の好みに合わせ、搭乗者と車両が情報をやりと
りするヒューマンマシンインターフェース(HMI)に人工知能(AI)ベースの3Dアバ
ターを用いるのが大きな特徴だ。音声は人の声をもとに加工できる。
標準モデルは出力が286馬力(PS)。容量77キロワット時(kWh)の電池を搭載してお
り、航続距離は621キロメートル(中国独自規格CLTCモード)に上る。市販価格は20
万9,900人民元(約2万6,500ユーロ)からとなる。
ID. UNYXでは2026年までに4モデルの追加投入を計画している。これにはSUVとセダン
が含まれる。
ID. UNYXは大都市に住むライフスタイル重視の若い世代をターゲットとするブラン
ド。20都市に計40カ所の専門ストアを開設する。