EU、セルビアとリチウム調達で戦略提携

欧州連合(EU)のマロシュ・シェフチョビッチ欧州委員会副委員長とセルビアのア
レクサンダル・ブチッチ大統領は19日、リチウムの持続可能な供給に関する協力の
趣意書に署名した。リチウム調達およびバッテリーバリューチェーンの構築、電気
自動車(EV)産業の発展に向けて戦略的に提携する。欧州バッテリー同盟(EBA)
やインベストEUなどの産業振興制度を通じ、研究開発の促進と人材の確保、投資呼
び込みを図る。EUはこれにより、欧州最大級のリチウム鉱床があるセルビアからの
安定調達に道筋をつける。
趣意書はベオグラードで開催された重要原材料サミットに合わせて締結された。同
サミットにはドイツのショルツ首相も出席し、リチウムのバリューチェーンに対す
る「数十億ドル規模の投資」(ブチッチ大統領)を申し出たという。
セルビア西部ロズニツァ近郊のヤダル川流域で発見されたホウ酸リチウム鉱床は、
世界のリチウム埋蔵量の10%を占めると推定されている。同鉱床の開発計画を巡っ
ては2022年1月、英豪資源大手リオ・ティントによる開発免許が住民の反対を受け
て取り消されたが、セルビアの憲法裁判所は免許取り消しを違憲とする決定を今月
11日に下していた。

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