Ifo経済研究所が25日に発表した7月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は87.0
となり、前月を1.6ポイント下回った。景況感の悪化は3カ月連続。3カ月以上続落す
ると景気は下降する可能性が高い。クレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済は危機
のただ中にはまり込んでいる」と述べた。今春時点で期待されていた景気回復は遠の
いた格好だ。
現状判断を示す指数が1.2ポイント減の87.1、今後6カ月の見通しを示す期待指数が1.
9ポイント減の86.9とともに落ち込んだ。現状判断指数は直近のピークである4月を1.
9ポイント、期待指数は同5月を3.4ポイント下回っており、下落のスピードは期待指
数で特に大きい。
景況感を部門別でみると、製造業は大幅に悪化した。特に現状判断で下げ幅が大き
い。受注残高はこれまでに引き続き縮小。工場稼働率は長年の平均を6ポイントも下
回る77.5へと低下した。
景況感はサービス業でも落ち込んだ。特に期待指数が大きく低下している。
流通業では現状判断と期待指数がともに落ち込んだ。現状判断の低迷は小売で目立
つ。ドイツの景気はこれまで、賃金・年金の実質増加を背景に個人消費がけん引車と
なり回復していくと目されていたが、少なくとも現時点では消費不振が続いているも
ようだ。
建設業は現状判断がやや悪化、期待指数が横ばいだった。数値自体は流通業とともに
極めて低い水準にある。