化学大手の独コベストロは30日の決算発表で2024年12月期の業績見通しを引き下げ
た。これまでの厳しい経済環境が今後も続く公算が高まっているためで、営業利益
(EBITDA)の予想レンジを従来の「10億〜16億ユーロ」から「10億から14億ユーロ」
へと下方修正した。
24年4-6月期のEBITDAは3億2,000万ユーロとなり、前年同期を16.9%下回った。販売
価格の下落が響いた格好。純損益は4,600万ユーロの黒字から7,200万ユーロの赤字へ
と転落した。
売上高は0.8%減の36億9,000万ユーロとほぼ横ばいを保った。販売価格は平均9.7%
下がったものの、販売量が9.3%増えたことから減収幅が大幅に緩和された。
EBITDAを部門別でみると、価格競争がし烈な汎用品を手がけるパフォーマンス・マテ
リアルズ部門は35.1%減の1億9,600万ユーロと大きく後退した。販売価格が12.0%下
がったことが大きい。
イノベーション度の高い製品を手がけるソリューション&スペシャリティーズ部門も
21.3%減の1億7,400万ユーロと大幅に落ち込んだ。比較対象の23年4-6月期は積層造
形事業の売却で水準が押し上げられており、その反動が出た格好だ。