アウディが自社ロゴなしのBEVを中国に投入か

独フォルクスワーゲン(VW)の高級乗用車子会社アウディが「フォーリングス(4
つの輪)」で有名な自社ロゴを用いない電気自動車(BEV)のシリーズを中国で開
発し、現地販売するとの観測が浮上している。計画を直接知る2人の情報としてロ
イター通信が報じたもので、「ブランドイメージの熟慮」と中国の技術への依存の
強まりが反映されているという。同社は観測には回答しないとしてコメントを控え
ている。
アウディは5月、VWグループの提携先である上海汽車(SAIC)と合弁でBEVを開発す
ると発表した。開発スピードの速い中国企業と組むことで、企画から市場投入まで
の時間を30%以上短縮。目まぐるしく変化する同国のトレンドに合致した製品を速
やかに販売できるようにする考えだ。
「アドバンスド・デジタイズド・プラットフォーム」という中国販売車専用のプ
ラットフォームをベースにインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)を
共同開発する。同プラットフォームがどのようなものかは明らかにされていない。
ロイター通信によると、アウディが中国で開発・販売するフォーリングスなしの
BEVシリーズはコード名が「パープル」。電動アーキテクチャーはSAIC傘下のBEVブ
ランドである「智己汽車(IMモーターズ)」のものを採用する。電池は寧徳時代新
能源科技(CATL)、先進運転支援システム(ADAS)は現地のスタートアップ企業モ
メンタ(Momenta)から調達するといい、中国の技術への依存度が高い。
11月にコンセプトカーが公開されるもようだ。パープルのモデルがフォーリングス
以外のロゴを付けるのが、それともロゴを用いずブランド名の「アウディ」のみを
使うのかは不明という。
事情を知る別の人物によると、同シリーズでは2030年までに計9モデルが計画され
ている。

上部へスクロール