製造業新規受注6カ月ぶりに増加、景気回復は期待薄

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日に発表した6月の製造業新規受注指数(2021年=
100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を3.9%上回る
85.1(暫定値)へと大きく上昇した。増加は6カ月ぶり。大型受注を除いたベースで
も3.3%増えた。経済省は景況感と国外需要の低迷を踏まえ、製造業の景気が広範囲
で改善する可能性は当面、低いとの見方を示した。
新規受注を地域別でみると、国内が9.1%増と急拡大した。国外は0.4%増で、内訳は
ユーロ圏外が0.9%増、ユーロ圏(ドイツを除く)が0.3%減だった。
部門別では投資財が9.2%増と全体をけん引した。増加は6カ月ぶり。国内が15.0%、
ユーロ圏が8.9%、ユーロ圏外が4.3%の幅で伸びた。
中間財は1.5%減となり、2カ月ぶりに縮小した。ユーロ圏が6.9%減、ユーロ圏外
4.7%減と足を強く引っ張った。
消費財は7.1%減り、5カ月ぶりに落ち込んだ。ユーロ圏が急増した前月の反動で
19.4%減少。ユーロ圏外も6.7%低下した。
業界別では構成比重の大きい機械が2.3%、自動車・自動車部品が9.3%増加。金属製
品(9.8%増)とその他の輸送機器(11.7%増)は伸び率が大きかった。前月に2ケタ
増となったデータ・電子・光学機器は7.9%減少。製紙(5.3%減)、金属製造・加工
(4.9%減)、医薬品(4.6%減)も振るわなかった。
5月の製造業新規受注は当初の前月比1.6%減から同1.7%減へと下方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、4〜6月は前期(1
〜3月)比で1.4%減少した。国外が3.1%後退。国内は1.2%増えた。
6月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を0.9%下回った。5月については当初の0.7%減から0.3%減へと上方修正さ
れた。

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