独経済・気候省は23日、製造業の脱炭素化を支援するためのプログラム「BIK(連
邦支援・製造業・気候保護)」を発表した。従来型の技術で生産する競合製品との
差額を国が補償する「炭素差額契約(CCfD)」を補完するもので、特に中小企業の
GX(グリーントランスフォーメーション)を支援していく。国の「気候・トランス
フォーメーション基金(KTF)」から2030年まで総額33億ユーロの助成を行う。
BIKは生産の脱炭素化を支援する「モジュール1」と、二酸化炭素(CO2)の回収・
貯留(CCS)とCO2の有効利用(CCU)を支援する「モジュール2」の2種類からな
る。モジュール1では生産プロセスでのCO2排出量が40%以上、削減されるプロジェ
クトが助成対象となる。エネルギー集約型企業を主な対象に想定しているものの、
それ以外の分野のメーカーも利用できる。1社当たりの助成額は最大2億ユーロ。
モジュール2はセメントやごみ焼却、基礎化学品などCO2の排出削減が難しい分野の
企業を対象としたもの。5月に閣議了承された「炭素管理戦略(CMS)」原案に見
合った支援を行う。
支援対象となるプロジェクトには規模の制限があり、中小企業では投資額が50万
ユーロ以上、大企業では同100万ユーロ以上でなければならない。BIKとCCfDの支援
をともに受けることはできない。
ドイツ国内の製造拠点が支援対象となることから、外資メーカーでも同国に工場が
あればBIKの助成を受けることが可能だ。