BYDが独ディーラー買収、販売を自ら展開へ

中国電動車大手の比亜迪(BYD)は30日、スウェーデンに本社を置く欧州ディー
ラー大手ヘディン・モビリティー・グループから独販売子会社ヘディン・エレクト
リック・モビリティを買収することで合意したと発表した。独販売を拡大する狙
い。第4四半期の取引完了を見込む。メディア報道によると、BYDは同国販売が想定
したほど伸びていないことに不満を持っていることから、自ら販売に乗り出す。
指定ディーラー(appointed dealer)であるヘディン・エレクトリック・モビリ
ティを取得し、独子会社BYDオートモティブに統合する。取引対象にはシュツット
ガルトとフランクフルトにあるパイオニアストア2店舗が含まれる。ヘディン・モ
ビリティーの独小売子会社ヘディン・オートモティブ・eモビリティーは正規小売
店(authorized retailer)として、これまでに引き続きマンハイム、カイザース
ラウターン、ザールブリュッケンの3カ所でセールスポイントを運営する。
ヘディン・モビリティーは2022年、BYDと販売協業を開始。スウェーデンとドイツ
でBYD車の販売を行ってきた。スウェーデンでは今後もBYDのディーラー、小売店と
して事業を継続する。
BYDの1-7月期の独乗用車新車登録台数は前年同期比126.6%増の1,432台と大きく伸
びた。一見すると好調にみえるが、比較対象の23年1-7月期は市場参入直後で登録
台数がわずか632台にとどまっていた。その後は販売を大きく伸ばし、23年全体で
は登録数が4,139台に達していたことを踏まえると、今年の減速感は否めない。7月
の実績は前年同月比43.1%減の230台と大幅に落ち込んだ。26年までに12万台に拡
大する目標を達成するためには自ら販売の指揮を執る必要があるとBYDは判断した
もようだ。

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