国有企業ドイツ鉄道(DB)は13日、国際物流子会社DBシェンカーをデンマーク物流
大手DSVに売却することで合意したと発表した。経営資源を本業の国内鉄道に絞り
込む方針に基づき昨年末にシェンカーの売却手続きを開始していた。、売却益で巨
額債務を圧縮する考えだ。
シェンカーを143億ユーロと評価して取引を行う。2025年第2四半期の売却手続き完
了を見込む。同手続き完了までの金利を含めると取引価格は148億ユーロに拡大す
る見通し。DB史上最大の取引となる。
DBは中核事業である鉄道分野に経営資源を絞り込む方針を以前から打ち出してお
り、23年10月には欧州11カ国で鉄道・バス事業を展開する英子会社アリーバを米投
資会社アイスクエアドキャピタルに完全売却することで合意した。
シェンカーはDBの財務を支える大黒柱であり、23年の売上高(191億ユーロ)はDB
全体の42%を占めた。営業利益(EIBT、調整済み)では鉄道部門が21億ユーロの赤
字だったのに対し、シェンカーは11億ユーロの黒字を計上した。
DBの純債務は300億ユーロを超える。シェンカーの売却益を債務の圧縮に充てるこ
とで、財務は大幅に改善する。
DSVはシェンカーの買収により世界のネットワークを拡充し、競争力を高める考え
だ。売上高はプロフォーマベースで約393億ユーロに拡大。雇用規模も7万2,700人
増えて14万7,000人となる。ドイツには今後3〜5年で10億ユーロを投資する。