中欧豪雨で供給網に支障

先週末から今週初頭にかけて中欧を襲った豪雨はサプライチェーンに大きな支障を
もたらしそうだ。洪水被害を受けた工場が生産停止に追い込まれているうえ、道路
や鉄道、河川が一部、通行できなくなっているためだ。サプライチェーン情報サー
ビス会社エバーストリーム・アナリスティクスの関係者は『フランクフルター・ア
ルゲマイネ』紙に、機械、自動車、化学業界のサプライヤーの多くが洪水被害を受
けたことを明らかにした。
オーデル川沿いにあるチェコのオストラバではハンガリー企業ボルショドケムの化
学工場が15日に浸水被害を受けた。鋳物用コークスのサプライヤーであるOKK
Koksovnyは操業を停止している。クルノフにある独ボッシュのボイラー工場やポー
ランドのプルドニクにある米自動車部品大手ヘニゲス・オートモティブも被害を受
けた。
オーデル川、ドナウ川、エルベ川では一部区間で船舶の航行が禁止されている。独
東部ドレスデンではエルベ川にかかるカローラ橋が11日に崩落したことから、洪水
前から航行できない状況だ。洪水被害地域では道路や鉄道にも支障が出ている。
部品や材料の供給が止まると、顧客メーカーは生産停止に追い込まれる恐れがあ
る。7月にスイスで発生した洪水では独高級スポーツ車大手ポルシェがしわ寄せを
受け、生産停止を余儀なくされた。アルミ部品を供給するサプライヤーが被害を受
けたためだ。

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