墺機械大手アントリッツの子会社でプレス機器などを手がけるシューラーは23日、ド
イツ本国の拠点を整理すると発表した。最大の顧客産業である自動車の不振を受けた
措置。アントリッツのヨアヒム・シェーンベック社長は『フランクフルター・アルゲ
マイネ』紙に、「需要が近い将来、(コロナ禍前の)5年前の水準に戻る兆しは現時
点でない」と明言した。
板金加工機械を製造するヴァインガルテンの拠点とゲミンゲン拠点内の工場を閉鎖す
る。売却予定のエアフルト工場も含めると、国内従業員およそ2,400人のうち474人を
削減することになる。
シューラーが属するアントリッツの「メタルズ」部門では上期の新規受注が前年同期
比で43%減少した。シェーンベック氏は「自動車業界は電気自動車の需要が今後数年
で増えると予想していた。しかし、実際にはそうなっていないため投資を見直してい
る。その結果、当社のプレス機器需要が大幅に減少した」と指摘。適正な利益を確保
し、雇用を長期的に維持するためには独・欧州の生産能力を縮小しなければならない
と述べた。
シューラーは自動車産業への依存の低減を目指しているが、現時点で実現できていな
い。