スロバキアのロベルト・フィツォ首相は30日、訪問先の韓国でユン・ソンニョル大
統領と会談し、両国関係を戦略提携に格上げすることで合意した。貿易・投資、エ
ネルギー安全保障、防衛産業の分野で協力を深めていく。
フィツォ首相の韓国訪問は2023年10月の再就任後初めて。同首相は韓国がインド太
平洋地域で「高い重要性を持つ」とし、訪問の焦点は原子力、貿易、投資だと述べ
た。
訪問に合わせ、両国の担当大臣間では貿易・投資促進の枠組み確立に向けた覚書
と、エネルギー分野における包括的協力を規定するための覚書が交わされた。ま
た、韓国側は原子力や水素技術を提供し、スロバキア側は投資家に対するインセン
ティブと、研究開発事業を行う企業に対する優遇税制を約束した。
韓国からスロバキアへの直接投資額は今年3月時点で累計15億8,000万ドルにのぼ
る。起亜自動車、サムスン電子など同国に拠点を置く大手企業も多い。ソンニョル
大統領はスロバキアを「価値観を共有する欧州の重要なパートナー」と表現。両国
の関係強化は「今後30年間の将来の礎になる」と述べた。
両国はワーキングホリデー協定を結ぶことでも一致した。