独検針サービス大手テッヒェムは1日、米投資会社TPGとシンガポール政府投資公社
GICがスイスの投資会社パートナーズ・グループを中心とするコンソーシアムから同
社を完全買収することで合意したと発表した。テッヒェムは収入が安定しているう
え、ESG(環境、社会、ガバナンス)で高評価を受けていることから、投資先として
人気が高い。TPGとGICは67億ユーロで買収を行う。
テッヒェムは1952年の設立で、現在はドイツを含む18カ国で事業を展開している。集
合住宅のオーナーや管理会社を顧客としており、設置メーター数は6,200万個を超え
る。売上高は10億ユーロ強。
同社が設置するメーターはデジタル化されていることから、住人やオーナーはその
データを用いて省エネ・省コストを図ることができる。このため同社のサービスは住
宅部門の二酸化炭素(CO2)排出削減につながると目されている。欧州では脱炭素化
政策を背景に暖房・温水使用データのデジタル検針ニーズが今後も高まる見通しのた
め、事業拡大の余地は大きい。
テッヒェムはイスタと並ぶ独検針サービスの2大大手。イスタも香港の不動産開発大
手である長江実業地産の子会社となっている。