生分解性包装材を手がけるウクライナの新興企業エスラブ(S.Lab)が、グーグル
のウクライナ・スタートアップ支援基金から10万米ドルの資金援助を受ける。農業
廃棄物と菌糸体を組み合わせ、安定的に供給できる強靭な包装材の生産技術の開発
継続・強化に投資する。将来的に発泡材を含むプラスチック包装材に替わる製品提
供を目指す。
グーグルは2022年、ウクライナ・スタートアップ基金の第1弾を設定(規模:500万
ドル)。これまで33社に資金援助を決めた。対象企業には同時に、メンタリング、
プロダクトサポート、最高35万ドル相当のグーグル・クラウドクレジットが付与さ
れる。グーグルは24、25年分として合計1,000万ドルの基金を設定することを決め
ている。第1弾と合わせて100社を支援する計画だ。
エスラブは、創業者の2人が麻繊維(ヘンプ繊維)と菌糸体の組み合わせでグリー
ン包装材が作れると思いつき、21年にウクライナで創業した。これまでにグーグル
に支援を申請した1,600社のなかから選ばれた。
エスラブの包装材は、ポリスチレンと同じように断熱性と耐水性があるが、30日で
跡形もなく土に還るのが特長だ。同社は植物由来の包装材に特化した生産技術を開
発。生産工程のすべてでロボット工学の知識と革新的なソリューションを取り入
れ、需要に応じて柔軟に製造能力を調整できるようにした。このため、市場価格の
変動に素早く対応したり、中小企業から多国籍企業まで、様々な顧客の要請に応え
たりすることができる。
エスラブ社ホームページ
https://www.ilab-s.com/