炭素差額契約を独政府が初締結、15社に28億ユーロ支給

ドイツ経済・気候省は15日、新しい脱炭素技術の投入に伴い価格競争面で不利にな
る企業に、従来型の技術で生産する競合製品との差額を国が補填する「炭素差額契
約(CCfD)」を計15社と締結したと発表した。独政府がCCfDを結ぶのは初めて。15
年間に渡り総額で最大28億ユーロの支援を行う。
「気候保護契約(Klimaschutzvertrag)」という名のCCfDを締結した。エネルギー
源を化石燃料から再生可能エネルギー電力やグリーン水素に改める企業に対し、従
来型製品とのコスト差を補助金として交付する。脱炭素技術の進歩や排出量取引価
格の上昇に伴い同コスト差は今後、狭まることから、補助金の額は縮小していき、
総額は28億ユーロ枠を大幅に下回ると予想されている。製造コストが従来型製法を
下回る逆転が起きた場合は、気候保護契約を締結した企業が国に差額を支払うこと
になる。
政府と同契約を結んだのは化学、ガラス、セラミックなどエネルギー集約型の企
業。補助金額が最も大きいのは製紙大手のアドルフ・ヤスで、最大5億6,400万ユー
ロに上る。同社は蒸気発生システム用のエネルギー源をこれまでの天然ガスから再
生エネに切り替える。

上部へスクロール